最近、朝がちゃんと「朝」らしく感じられる日が減った気がする。
バタバタとスマホを見ながらの朝ごはん。
締め切り。通知音。
なんとなく始まって、なんとなく終わる日々。
この部屋を見に行ったとき、
ふいに思った。
ここでは、“ちゃんとした朝”が来るかもしれない。
光がきちんと入ってきて、風が静かに通り抜ける。
秋にはベランダに金木犀の香りが漂って、
カレンダーを見なくても季節がわかる。
駅までは少し歩く。
でもそのぶん、空が広くて、静かだ。
歩いているうちに、気持ちがふわっとほどけていく。
「せんぱく校舎」という場所が近くにある。
古い社宅をリノベーションして、
アーティストやクリエイターが何かをつくっている。
文化と暮らしのちょうどあいだ、みたいな空気が心地いい。
駅からの帰り道には、少し足をのばすと「onetable」がある。
曜日ごとに店主が変わる、不思議であたたかいカフェ。
“誰かがその日を開いている”って、なんだかいい。
この部屋は、これからフルリノベーションされる予定。
完成は2026年1月。
いま見られるのは、その“途中”の姿。
でも途中って、案外いい。
まだ仕上がっていない場所には、余白がある。
これからどんな暮らしが始まるんだろうって、
想像できる余白。
写真や間取り図もあるけれど、
それはあくまで予想図。
たぶん実物には、いい意味で「思ってたのとちがう」がある気がする。
わたしだったら、
秋の風が吹いた日に、ベランダに椅子を出して、コーヒーを飲みたい。
何もしないで、ただ空を見ていたい。
「ここに住んだら、秋が待ち遠しくなるんだろうな」
そう思ったお部屋です。













