イベントレポート 第6625号
2015.12.22発行

omusubi不動産1周年感謝イベント:4粒目「Local Talk 八柱をオーガニックシティにしよう&アフターパーティ」レポート

gd松戸vol.35 omusubi不動産1周年記念イベント レポートNo,2

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2014年5月よりスタートしたomusubi不動産。少々お恥ずかしながら、感謝の意味を込めまして「omusubi不動産1周年感謝イベント『Local Talk Fes しゃべくり008』を開催しました!
当日の様子をレポートでご紹介いたします!

omusubi不動産は千葉県松戸市の八柱という地域にある、「おこめをつくる不動産屋」。
空き家や中古物件をリノベやDIYなどによって育てながら生かす取り組みをしています。

このomusubi不動産がある八柱は、JR松戸駅にも近いものの、高い建物は少なく、畑なども点在するのんびりした雰囲気が漂うエリアです。

実はこの八柱は、隠れたオーガニックエリアとして知られています。gd松戸ではおなじみのスローコーヒー、オーガニックCAMOOのほか、無農薬栽培の野菜を扱う八百屋さんなど、オーガニックに関連したお店がたくさんあるんです。

今回は、omusubi不動産や八柱にゆかりのあるゲストとともに、ホームタウンである八柱エリアを1日楽しむ盛りだくさんな企画です!

すっかり日も暮れ、この日最後のプログラム、4粒目「Local Talk 八柱をオーガニックにしよう&アフターパーティー」へ!

最後のゲストは、スローコーヒー代表の小澤陽祐さんと、オーガニックレストランCAMOO店長の伊藤礼さんです。共に八柱でオーガニックムーブメントを牽引してきたお店のお二人と共に、八柱がオーガニックシティとしてより発展していくためにはどうしたらいいのか?ということについて語りあいました。
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4粒目は、乾杯でスタートです!

参加者全員での乾杯から始まり、伊藤礼さんのトークがズタート。伊藤さんは、大学を卒業してからCAMOOで働き始めました。オーガニックを広めることを目的に、まだ当時珍しかったオーガニックなファミリーレストランとしてスタートしたCAMOO。

レストランで使われる野菜やお米は、CAMOOのスタッフが自ら作ったり、知り合いの人が運営する無農薬農園のものです。ファミリーレストラン激戦区である八柱の中で、12年間という長い間、周囲の人々とともに、安心・安全な食材を使い、オーガニックな食を提案していくという開業当時の姿勢を貫いてきました。

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小澤さん(左)と伊藤さん(右)。ともに八柱のオーガニックムーブメントを支えるお二人です。

スローコーヒー代表の小澤さんは、「ナマケモノ倶楽部」というスローライフを提案するNGOに参加し、その流れでフェアトレードなコーヒーを扱うスローコーヒーの設立に関わり、現在に至っています。

元々HIP-POPが好きで、今もオリジナルラップをつくっている小澤さんにとって、フェアトレードとHIP-POPの根っこは共通しているもの。黒人たちは差別を受けている状況の中、自分たちの考えをビートに載せて人々に伝えていきました。それは、元々貧しい人々が多いコーヒー生産者が「ちゃんとお金が欲しい!」と訴える仕組みであるフェアトレードと同じなのだと小澤さんは言います。

フェアなコーヒーが作りたい、けれどオーガニックコーヒーはおいしくないと言われていた状況の中、美味しいオーガニックコーヒーを作ろうという小澤さんの想いのもと、スローコーヒーは進化し続けてきたのです。

しかし、震災の後、小澤さんの考え方は変わったとそう。焙煎機は電力によって動いているため、震災後の電力状況のもとでは焙煎ができなくなってしまったのです。

震災を機に、フェアトレードやオーガニックに興味を持つ人々は増えてきています。興味を持つ人が増えてくることは喜ばしいことだけれど、自分たちのやり方をちゃんと考え、変えていく必要もあると小澤さんはいいます。

二人のオーガニックへの取り組み、考えを聞いた後は、「八柱をオーガニックタウンにしていくためには?」というお題に対するディスカッションへ。参加者全員で丸くなって、自己紹介や八柱に関する思いや感想を話していきます。

そもそもオーガニックってどういうことなんだろう、という問いには、モノやコトの循環が地域内でできることではないか?という意見が。

さらに、小澤さんからは、様々な人々が地域の中で繋がることによって、例えば原発問題など、ナイーブな問題も含めてきちんと話し合っていくことができる場にしたいという声が。

また、これから高齢化が進む中で、コミュニティーベースで看取る場所を団地に作るなど、コミュニティを中心にして、様々な物事が進むような街になればいいのではないかという話も上がりました。

最後に、殿塚から「今日のような場は、そうしたつながり作りの一つのきっかけの場になる。これからも、グリーンドリンクスやこうしたイベントを実施することで、オーガニックなどの思いを共有し、一緒に何かを起こしていくことができるコミュニティを作っていきたい。」という言葉でまとまりました。
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参加者全員で車座になって、思いを共有します。
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殿塚。今日1日、たくさんの人が八柱を訪れてくれたことがとにかく嬉しい、と言います。

そしてそのあとは、集まった人々みんなでパーティータイム!小澤さんの生ラップや、八柱界隈の有名人(?)によるスペシャルパフォーマンスが披露されるなど、賑やかに八柱の夜が更けていったのでした。

omusubi不動産1周年記念として、様々な人々が八柱エリアに集まった今回のイベント。

改めて、八柱という地域について、中の人・外の人を問わず皆で考えることによって、コミュニティを作っていくことの大切さや重要性を感じます。八柱のポテンシャルを生かし、オーガニックタウンとしてのあり方を、より大きなムーブメントとして広げていくには、八柱内外問わず、様々な人々との出会いやコラボレーションが必要なのではないでしょうか。

今後も、八柱や松戸エリアを盛り上げていくために、omusubi不動産は、つながりを育んでいきます。ぜひあなたも、人々とのつながりから生まれる八柱発のオーガニックに触れてみませんか?

(text:原田恵)

各回のレポートは下記よりご覧いただけます♪
1粒目:「妄想会社八八商店食堂。新米おむすびとお酒を楽しむ1時間」
2粒目:「八柱さんぽと、みちばたコーヒー」
3粒目:「Local Talk 地方のリノベーションと暮らし」