こんにちは。せんぱく工舎6号室の元入居者、久芳です。美術家として、松戸を拠点に活動しています。今回、5年ほどお世話になったこのアトリエを離れましたので、お礼を込めてご紹介させていただきます!
私が入居したのは、せんぱく工舎が入居者募集を始めてすぐの頃。当時、建物の外壁は整備されていたものの、内部は1960年竣工の元社員寮のまま。このお部屋も、壁面はいろんな木材で継ぎ接ぎしてある状態で、ちょっとうす暗い空間でした。
それでもここに集った人たちは、この古い学校の校舎のような空間に魅力を感じていたのだと思います。入居者が少しずつ増えて、一緒に天井を塗ったり、床を張ったり、私は初めてのDIYを経験。新しいことが始まるんだとワクワクしました。
お部屋の改装は、同時期に入居した建築士の方にしょっちゅう相談に乗ってもらいました。壁面の凹凸を整えていただき、そこからは白ペンキを塗りまくる日々。下地を2回、ペンキは何回塗ったかわかりませんが、どうしても時間が経つと木の黄ばみが出てきます。気になったら塗り直してくださいね。
天井にはライトレールを付けました。スポットライトと吊りフックは、作品の展示や撮影に役立ちます。
鉄っぽい扉にしたいなぁと塗装を工夫した扉。自分だけでは「こうしてみたいな」と想像するだけで終わってしまったであろう事も、ここはシェアアトリエせんぱく工舎。誰かに話してアドバイスをもらい、手を貸してもらい、実現できたことが山ほどあります。
見切り発車で入居したものの、当時の私には作家としての実績が少しもありませんでした。とにかく自分は美術家だと言えるようになりたかった。そんな形のない小さな声を拾い上げて、色んなことをチャレンジさせてくれた場です。遅くまで話し合ったり、一緒にご飯を食べたり。人ですから揉め事も起こりますが、それも含めて家族と過ごす時間のようでした。
次の方にささやかですが、パネルヒーターを置き土産にします。とにかく夏は暑く冬は寒いです。
なのに廊下側の窓が見当たりません。すみません。展示の時に外してから紛失、以来カーテンをしておりました。窓枠を作ろうと考え、サイズを合わせて切った木材もそのままです。
他にも制作の為に床板が一部違ったり、ペイントを施した箇所もありますので、細かい状態はぜひ内見しにいらして下さい。omusubiさんが色々相談にのってくれます。最寄り駅からせんぱく工舎までは少し歩きますが、道中にコンビニあり。私は近くの飲食店「とんひろ」のカツ丼が大好きで、おすすめです。
ここが新たな創作の場になることを願っています。
久芳真純