自給自足できる街をテーマに2011年5月から毎月1回開催されているgreen drinks 松戸。2012年は「○○をつくろう!」をテーマに掲げ、少しでも自給力を高めることを目指していきます。
Vol.12はテーマを「シンプルな暮らしをつくろう〜ハーブから始めるリラックスタイム~」と題して、2012年6月30日(土)に開催しました。
今回は、ハーブや有機野菜を取り入れてシンプルな暮らしを実践している、オーガニックレストランCAMOOの伊藤淳さんと奥さんの伊藤天子さんから自分たちのシンプルな暮らしについての話を聞き、さらに実際にハーブを生活に取り入れる方法を教えて頂く講座の2本立てです。
■身近なところにあった、ハーブとの出会い。
まずは淳さん天子さんから、ハーブとの出会いを交え自己紹介をしていただきます。淳さんは小さなころから植物などの自然環境について興味を持っていたそ う。ハーブとの出会いは高校生の頃。たまたま洋服屋さんの店先に置かれていたレモングラスというハーブを飲んだことから始まったそうです。天子さんは、もともとアメリカでアートセラピーを専門に学んでいました。帰国後学んだことを実践するために働いていたところ、セラピーを受ける人の生活そ のもの、特に食生活をめぐる環境が壊れていることに気づき、まずは食からケアしたいと思ったことが、ハーブやオーガニックに興味をもったきっかけだったそ う。
日頃たくさんのものやたべものに囲まれ、不自由なく手に入れることが出来る私たち。でも、逆に何を選んでいいのかわからなくなってしまうこともありますよね。
自然には、もっとシンプルなルールしかありません。例えばハーブもそう。ハーブなどの植物は土を栄養分にして育ち、やがて種を結び枯れていきます。でも、そうして育ち収穫されたものを取り入れて生きる私たち人間も、本来は自然のシンプルな循環の一部。
しかし、植物の成長に対して過剰な農薬を与えたり、遺伝子を意図的に組み替えた食物を自分に取り入れたりすることは、そうしたシンプルな循環に対して影響を与えてしまいます。
今は農薬を使用していない、有機栽培の食材を日常的に取り入れることは難しくなりました。そして、農薬を使用したような食材を使用して、自分たちの体に影響を受けてしまうことは当然のようになってしまっています。
けれど、意識することによって、そうした影響を少なくすることは可能なのです。ハーブも影響を少なくするために、身近に取り入れることが出来るものの一 つ。実際に、現在妊娠されている天子さんは、淳さんに妊娠時用のブレンドハーブを作ってもらって飲んだりしているそうですが、つわりや痛みなどもなく、 とっても順調なのだそう。(※妊娠者には適さないハーブもあります。)
また食べ物についてだけではなく、人との関係についても、シンプルな循環はとても重要。
たとえば、CAMOOはオーガニックメニューを提供するレストランなので、メニューの中に淳さん自ら選んだハーブを使用することもあるそうです。そうすると、ハーブをきっかけにお客さんとの会話が増え、お客さんが家族にそのことを話し、今度は家族みんなでお店に来てくれる・・といった自然な循環が生まれることもしばしば。食べ物や人との循環など、自然が教えてくれることはたくさんあります。
でも、色々なものにあふれている現代では、見落としがち。シンプルな暮らし、シンプルな自分になることで、自然からの声にダイレクトに反応できるようになるのだという淳さんの言葉は、実践している人からだからこそ、響くものがありました。
■シンプルな暮らしを作ろう。
シンプルライフについて話を聞いた後は、さっそく実践!淳さん自ら選んでくださったハーブを用いて、身近にハーブを取り入れちゃいましょう!今回作るものは、オーガニックルームスプレー、オーガニックハーブソルト、オーガニックハーブティーの3つ。
まずはルームスプレーから。ティーツリーとシトロネラ、オレンジスイートという3種類のハーブのアロマオイルを使います。ティーツリーとシトロネラは虫よけや殺菌作用があり、オレンジスイートは香りが特徴的なので消臭剤代わりに使用できるハーブです。作り方はとっても簡単。エタノールと3種類のアロマオイルを混ぜ、最後に精製水を加えて容器へ。
エタノールや精製水はドラッグストアでも手に入るので、家庭でも簡単に作ることが出来ます。あっという間に出来あがり!部屋だけでなく、オーガニックハーブを使用しているので体にも使うことが出来ます。
次にオーガニックバスソルトを作ります。バスソルトに使用するハーブはカモミールとローズバッズの2種類。
こちらも作り方は簡単。ハーブをすり鉢で砕き、塩と共にミルに入れ、混ぜるだけで完成!
作っているうちに、ハーブのいい香りに包まれます。チームで作業しながら、会話も弾みます。
最後にハーブティーでリラックスタイム!CAMOOで栽培しているハーブの中からそれぞれ好きなハーブを選んでオリジナルハーブティーを作ります。ハーブ は1種類でも、ブレンドしてもOK!ハーブは苦かったり、あまりおいしくないというイメージがあるかもしれませんが、自分に合うハーブや組み合わせを見つ けることが出来ると取り入れやすくなるそう。
今までおいしくないとしか思えなかったものも急においしく感じられるようになったりするのだとか!ハーブは本当にたくさんの種類があるため、色々なものを試して自分だけのオリジナルな組み合わせを探すのも楽しみですね。
収穫が終わったら、選んだハーブをティーバッグに入れお湯を注いで、オリジナルハーブティーの出来上がりです!
淹れたてのハーブティーのよい香りが漂う中、さっそくハーブティーで乾杯! 自分で選んだハーブティーのお味はいかがだったでしょうか?
最後にサプライズ企画が!淳さんとCAMOOスタッフの湖天波さんによるミニライブを行ってくださいました。
ハーブの香りと相まって、なんともいえない、穏やかな気持ちに。終了後のアフターパーティーでもCAMOOのおいしいオーガニック料理を頂きながらお話を楽しむ方が多く、ゆったりとした心地よい時間が続いたのでした。
■人間的なこと、シンプルなこと。
今回の企画はスタッフが伊藤夫妻のお宅で鍋パーティをした時に決まりました。お店とは異なる日常空間のCAMOO。そこには、自然栽培の梅酒、オーガニックジンギスカン、食後のハーブティなどが溢れていました。それも意識しなければ気づかないくらい自然に。今回はそんな「CAMOO伊藤家の食卓」みたいなシンプルライフについて、ハーブを通じて伝えることが出来たらという想いからスタートした企画でした。
「シンプルな暮らし」という一番簡単なはずなのに、今とても難しくなってしまっているものの良さについて、ハーブを通じて少しでも感じてもらうことが出来ていれば幸いです。
楽になることなら、きっと実践も出来るはず。難しいところではなく、たとえばハーブを生活の中に取り入れるなど、自分の出来るところから始めてみてはいかがでしょうか?
原田恵/埼玉生まれ埼玉育ち。筋金入りのさいたまっ子。
小さい頃から家にあった住宅雑誌を愛読し、建築を志すも数字アレルギーのため断念。より自然に近いことをやりたいと大学で造園について学ぶ中で、人との出会いの楽しさに気付く。現在は大学院で、人が主役になれる都市計画やデザイン、まちづくりについて学んでいます。
gd松戸サポーター/TX柏たなか駅高架下にて毎週土曜コミュニティカフェ「たなかふぇ」運営中
Twitter: @mkuman※こちらのレポートは greenz.jp及びgreen drinks 松戸のHPにも掲載されています。
2014.5.2発行