「自給自足できる街」をテーマに2011年5月から毎月1回開催されている「green drinks 松戸(以下gd松戸)」。2014年10月に行われたvol.32は、「街角キャンプ!暮らしの道具とたべものを自分でつくろう」と題し、今年の7月に松戸にオープンした最高に自由なDIYをお届けする工作室アルタイルにてマイスプーンでカレーを食べるイベントを行いました。当日の様子をレポートでお届けします。
■普段使うものをDIYしてみよう!
今回つくるのはマイスプーン。木材のブロックに型を描き、手彫りや機械を使って削りながらつくっていきます。
まずは作り方の説明を聞きます!
最初は素材となる木を選びます。
イチョウは柔らかく、肌目が細かいので加工がしやすいので初心者の方にオススメ。碁盤、将棋盤などに用いられています。ケヤキはやや硬く、木目がしっかりとしていて仕上げ面を磨くとよい光沢が出るため、建築材としてもよく用いられている木材です。ハワイコアはハワイ原産の木材。現在では伐採制限があり、非常に貴重なものです。ウクレレの材料としても有名ですね。
左からイチョウ、ケヤキ、ハワイコアです。
それぞれ個性の異なる木材を選び、さっそく型を描きます。予め佐々木さんが用意してくれたスプーンの型を使って木にトレースしていきます。
この型の裏側を鉛筆でこすり、木の上に乗せてなぞっていきます。
そうすると裏にこすりつけた鉛筆が木に写って下書きができます。カーボン紙と同じ仕組ですね!
下書きができたら、木の裏側に両面テープで紙やすりをくっつけます。紙やすりはこれから彫る作業をする際に、木がつるつる動かないよう滑り止めの役割を果たします。
外枠が彫れたら、今度はスプーンのすくう部分を彫っていきます。固い素材の木を選んだ方はこれが結構たいへんでした!
小学生の時に触って以来久しぶりに手に持つ彫刻刀。怪我しないように注意しながら彫り進めます。
ある程度掘り終わったら、今度はやすりで磨いていきます。磨けば磨くほど口触りがよくなるので、とにかくやすっていきます。
スプーンの部分がやすれたら、今度は木工用バンドソーで形を切り取っていきます。
最初はおっかなびっくりの参加者のみなさんも徐々に機械の扱いになれていきます。
最後はベルトサンダーで徹底的に削り、スプーンのかたちにしていきます。粉がすごく舞うのでマスクをしながらの作業です。
■できたスプーンでカレーを食べよう
できたてホヤホヤのスプーンはさっそく使ってしまいます。omusubi不動産の事務所のすぐそばにある八百屋なごみやさんで買った無農薬野菜と、gd松戸の田んぼで今年獲れたおこめを使ってつくったカレーをみなさんに食べて頂きました!
普段は何気なく使っているスプーン。だけど実際に自分で作ってみると少しカタチがガタガタしてしまったり、取っ手のかたちがなかなか持ちやすくならなかったりと、思い通りにつくるのはなかなか大変。
こうして身近にある暮らしの道具をDIYしてみたことで、普段使っているスプーンのクオリティがいかに高いのかを知り、手仕事の価値を見直すきっかけとなりました。
何より自分で手を動かし時間をかけてつくったスプーンには愛情もひとしお。そうやって物に想い入れを持てば、物を長く大切に使うことにもつながるのかなと感じました。
工作室アルタイルではスプーン以外にも色々な物がつくれます。
身の回りにあってちょっとアレンジ出来たらいいな〜という物が浮かんだら是非工作室アルタイルで暮らしの道具をDIYしてみてください!
(text:殿塚建吾)